消費者採用プロセス-イノベーションの採用時期

消費者採用プロセス-イノベーションの採用時期

イノベーションの採用時期

イノベーションの採用は様々である。ここで、採用とは、イノベーションが普及していく過程で、消費者が、ある製品・サービスのユーザーとなる意思決定である。本ページでは、心理的プロセスと5つの消費者カテゴリーに言及している。

*本ページ記載は[2]のpp822-823、第8部20章 新製品の開発-消費者採用プロセス による。

  • 採用プロセスの諸段階

消費者採用プロセスは、イノベーションを耳にしてから、最終的に採用するまでの以下の心理的なプロセスに注目している。

  1. 認知-消費者はイノベーションを認知するが、情報は持っていない。
  2. 感心-消費者は、イノベーションについての情報を集める。
  3. 評価-消費者は 、試用するかどうか考慮する。
  4. 試用-消費者は、価値を評価するために試用する。
  5. 採用-消費者は、本格的、定期的に試用することを決める。

  • イノベーションの採用時期

イノベーションは、採用するするにつれて新たな採用者の数は逓減していく傾向にあり、下図はそれを視覚的に表現している。

図は[1]p211図9-3 イノベーションの相対的採用時期を基準にした採用者の分類、または[2]p823図20-7 イノベーションの採用時期、を参考にサイト運営者が作成。(原著:Everett M. Rogers, Diffusion of Innovations, New York : The Free Press,1983.)

それは、消費者を5つのグループに分けて考えられ、以下はそのカテゴリーごとの特徴である。

  1. イノベーター-新しい技術を試すことに熱中するカテゴリーで冒険心旺盛。安価な製品提供と引き換えに、アルファテスト、ベータテストに参加し、問題点を報告する。
  2. 初期採用者-オピニオン・リーダーで他者と差をつけられる画期的な新技術を慎重に探している。価格はあまり気にしない。
  3. 前期追随者-慎重な実用主義者。新製品の有効性が明らかになり、周囲に採用した消費者が存在した環境で、採用する。
  4. 後期追随者-懐疑的な保守主義者。リスクを嫌い、新技術には消極的。価格には敏感。
  5. 遅滞者-伝統を重んじる。イノベーションに手を出すのは、現状の変化が避けられないと納得した時である。

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[1] フィリップ・コトラー, 恩藏直人監修,月谷真紀 訳,『コトラーのマーケティング・マネジメント 基本編

』, ピアソン・エデュケーション,2002, pp210-211.

[2] フィリップ・コトラー, ケビン・レーン ケラー, 恩藏直人監修,月谷真紀 訳,『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版

』, ピアソン・エデュケーション, 2008, pp822-824.

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