擬似カイゼン

Psudo Kaizen Project-擬似カイゼン

擬似カイゼンとはー

シックスシグマに限らず、カイゼン活動では、カイゼン指標を明確にすることと同時に、カイゼン指標をモニターすることが重要である。

プロジェクト(やカイゼン活動)が改善のフェーズまで進むと、チームメンバーやリーダーは安心し、カイゼン効果を享受できるものと信じてしまっている。これは、価格が上昇する投資案件を知っているだけに過ぎず、購入し、価格が上昇した時点で売却しないと利益は得られないことは投資案件と同質である(研究開発やカイゼン活動がコール・オプションと同質であると仮定して)。

従って、対策効果をモニターするシックスシグマにおけるC(管理)フェーズは他のフェーズ同様に重要であることがいえる。また、シックスシグマに関わらず、カイゼン効果をモニターすることは重要である。

下の図(出所は[1])は、その模式図を示している:

①カイゼン効果が得られ、その対策を実施するも、管理システムが不十分なため、カイゼン効果が時間とともに薄れていく

②以前実施した同じようなメトリックを指標にプロジェクトが実施される(擬似カイゼン活動)

との様子が伺える。

通常、①の段階が起こる場合、①の内容を忘れてしまい(担当の者を含めごく少数の従業員を除き)、「それは問題である」と②を実施してしまっていることがほとんどである。

経営に携わるもの、また、マネージャーは特別の事情がない限り 、このような現象が多く見受けられるようになった時は、管理システムを疑わなければならない。そのシステムが何故作動し続けなかったかを明らかにして対処しなければならない。

    • 担当に多くのタスクが集中していないか?
    • リソースが不十分ではないか?
    • サボタージュがあるのでないか?

[1] N.Nilakantasrinivasan,A.Nair, “DMAIC Failure Modes”, ASQ Six Sigma Forum Magazine, p32, May 2005, Fig2を参考に作成。

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